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2790話

しかし、もう少し薬量が多ければ、私はもう抵抗できなかっただろう。

残念ながら、私の身体能力は一般的な異能力者よりもはるかに強い。さっき受けた十数発の弾丸に含まれていた薬の量を全部合わせても、私から抵抗する力を奪うには足りなかった。

「降参だ!」

周囲を見回すと、警務員たちは一様に緊張した面持ちで、全員が神経を尖らせ、いつでも私の動きに対応できるよう身構えている。

どうやら彼らも異能力者との対峙は初めてではないらしい。

私は両手を挙げ、頭を抱えて泣きまねをし、それからゆっくりとしゃがみ込んだ。

「観念したよ。今すぐ連行してくれ」

ここまで来れば、逮捕されることも怖くない。

どうせ心の中で...