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277話

「ドン!」という鈍い音だけが聞こえ、俺はそのまま犬が糞を食らうような格好で転がった。幸い、この森の地面は厚い落ち葉で覆われていたから、そこまで痛くはなかった。

急いで振り返ると、茜がすでに後ろから俺を襲った片目の野人と戦い始めていた。

明らかに、さっき茜が振りかざしていたのは俺を攻撃するためじゃなく、背後に隠れていた野人を察知して、奴に向かって斬りかかったんだ!

この野人は非常に狡猾で、俺たちがこれだけ長い間追い詰めてきたせいで、このままでは死ぬしかないと悟ったんだろう。

そこで片目の野人は逃げるのをやめ、隠れていて俺に奇襲をかけてきたというわけだ。

茜と比べれば、俺の実力は少し劣る...