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2768話

今の私は、すでにひどく空腹になっていた。

人間は鉄、飯は鋼、一食抜けばひもじくなる。これから何か計画があるにしても、まずは腹を満たしてからだ。

時刻はすでに夕方で、駅の人通りも多くない。そのため食堂の中も比較的閑散としていた。

店に入り、ポケットの中の金を確かめてから、ジャージャー麺を二杯注文した。

「かしこまりました、少々お待ちください」

代金を払い、空いている席を適当に選んで座った。頭を巡らせて壁に掛けられた液晶テレビを眺める。

外の世界で長い時間を過ごしてきた今の私は、何を見ても感慨深い。この普通のテレビでさえ、何年も見ていなかったのだから……

テレビでは今日の夕方のニュースが放送されて...