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2763話

「若者よ、こそこそと悪さをするようなことはやめておけよ。そんなことをしていたら、自分で自分を檻に送り込むことになるぞ」

老人は独特の地方訛りを引きずりながら、手に持った杖で私の頭を突きながら諭した。

「すみません」

本来なら自分の能力を使って逃げることもできたのだが、心の中の羞恥心が邪魔をして、思わず頭を掻きながら老人に言った。「本当は山に旅行に来ていたんです。でも、うっかり仲間とはぐれてしまって...なんとか山から出てきたところで、ただ体を隠す服が欲しかっただけで...」

私の言葉を聞いて、老人の怒りは半分ほど収まったようだ。杖を私の額に当てたまましばらく考え込んだ後、思わずため息を...