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2753話

幸いなことに彼らは拳銃しか持っていなかった。拳銃の威力はそれほど大きくないから、私たちに対して大した脅威にはならない。

キィィッ——

ブレーキを思い切り踏み込み、ハンドルを強く切った。一気にドリフトして私たちの進路を塞いでいた警察車両を弾き飛ばすと、すぐに車を公道へと乗り入れた。

既に割れかけているバックミラーから見えるのは、数人の警官が血相を変えて上層部に連絡を取っている姿だった。

「ふん……」

だが確信できるのは、私たちはもう逃げ切ったということだ。彼らが上層部に報告したところで無駄だろう。

結局のところ、アメリカは広大で人口密度が低い。いくつかの最も繁栄した大都市を除けば、他...