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2745話

神さえも無力なのか?

思わず笑いながら首を振り、ため息をついた。

キャンピングカーはチャールズの妻によって小さな町の北東の角まで運転された。ここはどうやら食品加工工場のようだった。クラクションを三回鳴らすと、工場の敷地から一人の人物が現れた。真夏の暑さにもかかわらず、分厚いコートを身にまとい、顔を徹底的に隠していた。

チャールズの妻が車の窓から束になった米ドル札を差し出すと、その人物はコートの内側からあらかじめ用意していた黒いビニール袋を取り出した。

両者が交換を済ませるとすぐに、私たちは出発した。

町から十数キロ離れた後、車は人気のない道路脇に停車した。最初に降りたのはチャールズの妻で...