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2723話

目が眩むほどの酸っぱい悪臭が、爆発によって生じた火薬の匂いと共に漂い、息が詰まるほど喉を刺激した。

爆発の半径内にいた大型猫はすべて、肉片と血の塊へと吹き飛ばされていた。

まるで屠殺場のようだ!

「うおおっ!」

「くたばれ、このクソ野郎!」

後ろの兵士たちから歓声が上がったが、私の体は少しも喜びを感じなかった。爆発で立ち上った煙の中から、はっきりと強烈な生命力を感じ取ることができたからだ。

あの親玉の大型猫はまだ生きている!

ゴビ砂漠の風は強く、爆発で生じた煙と塵は、ほんの十数秒で吹き荒れる風に一掃されてしまった。

煙が晴れると、肉片が散らばる地面の上に、凶悪な形相の大型猫が立っていた...