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2719話

足元の柔らかな砂地には、砕け石が潜んでいた。一歩踏み出すごとに、脚が半分ほど砂に埋もれる危険があり、その中の砕け石が肌を切り裂き、鋭い痛みをもたらす。

幸い、こうした微弱な痛みにはすでに麻痺していたため、私の行程にはさほど影響はなかった。

さらに半日ほど歩き続け、ようやく目的地に近づいた。

そして、私をさらに喜ばせるものを見つけた——数張りの軍用テント。テントの周囲は鉄条網でぐるりと囲まれている。おそらくあの大型ネコ科の生き物を防ぐためのものだろう。

人間の存在の痕跡を目にして、思わず胸が高鳴った。

人間は希望を持つと、心の中から力が湧き出てくるものだ。本来なら二、三時間かかるはずの道のりを、...