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2710話

「しかし、他の人達を追い越して一番に到着した時、私はやっと気づいた。必死に急いで来たというのに、結局は遅すぎたのだと!」

元々広々としていた通路は、今や瓦礫の山と化していた。折れた鉄筋、崩れ落ちたコンクリート、そして折れ曲がった鋼板が、玉城瑶のいる場所への通路を完全に塞いでいた。

ヴィジェ、一体何をしたというんだ!

目の前の行き止まりを見つめ、一瞬呆然としていた私は、やがて気づいた。私に続いて駆けつけた警備隊員たちが、すでに別の方向へと向かい始めていることに。

腕につけた通信機が震えるのを感じ、思わず目を落とした。

漏洩!

赤地に白抜きの文字が、私の瞳に映り込んだ。

通信機には、基地...