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2694話

この廊下は私にとって見覚えのあるものだった。

ここに来る直前、私はあの場所を通り過ぎたばかりだ。基地の南東の角にあたる場所で、通信機の地図が間違っていなければ、あそこは軍需品を保管する倉庫だ。

「我々はここで部外者の痕跡を発見し、大勢の人員を派遣して、多くの時間を費やしましたが、結局何も得られませんでした……」

「現在の資料によれば、その侵入者は恐らく他勢力から送り込まれた改造人間かと……」

ここまで聞いて、私は思わず笑いたくなった。

ヴィジェは確かに他勢力から送り込まれたスパイだが、最初は普通の人間に過ぎなかった。彼を能力が規格外の改造人間に変えた原因は、まさにこの会社だ。

もし会社がヴィジ...