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2692話

「このボタンは、完全に透明で、その下に一束の配線や、チップなどの電子部品が見える。大きさを見てみると、このガラスボタンは私の親指ほどの大きさだ。」

「まさか?」

私は思わず気づき、手を上げてボタンを押した。

ピピッ。

どこから聞こえてきたのか分からない二つの音が鳴り、赤い光が私の親指をスキャンするように通り過ぎた。すると、元は透明だったガラスボタンが翠緑色に変わった。

ガチャッ——

ドアが開いた。中には、完全自動化された部屋があった。

なぜ完全自動化かというと、この部屋の床も壁も天井も、すべてにロボットアームが動き回れるレールが張り巡らされていたからだ。

数十本のロボットアームが、部屋の中を整...