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2687話

面倒を起こさないために、巡回警備隊の隊員たちが特殊な手錠を私に掛けようとした時、私は抵抗せず、ただ淡々と一言だけ説明した。

しかし、私の説明は何の役にも立たなかった。

手錠が閉まった瞬間、手首に針で刺されたような痛みが走るのをはっきりと感じた。同時に、私が気づく前に何かが体内に密かに注入されたようだった。

しびれるような感覚が手首から始まり、前腕を伝って上へ、そして全身へと広がっていった。

力が入らなくなってきた……

眉をしかめながら、なぜこの連中が私を侵入者と決めつけて強制的に拘束するのか理解できなかったが、焦ることはなかった。今の自分の身分をはっきりと理解していたからだ。

会社...