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2681話

「うん。」

彼女の言葉が終わる前に、私は再び彼女を腕の中に引き寄せ、優しく囁いた。「きっと良くなるよ。ここから出るのも時間の問題だ。俺がいるから……」

しかし、この時の玉城瑶はまだ衝撃から立ち直れずにいた。

まるで彫刻のように、私の胸にぴったりと身を寄せたまま。

「キスして。」

どれくらい時間が経ったのだろう、玉城瑶がようやく口を開いた。小さな声だったが、私にははっきりと聞こえた。

そのたった二つの言葉が、私の心の奥底に長い間抑え込んでいた感情に火をつけた。

一晩中絡み合い、何度も重なり合って、二人とも力尽きるまで続けた。やっと止まった時、互いの目を見つめ合い、その瞳には言葉にできないほどの優...