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2677話

「生きることは、本当に難しい」

ふと、誰かと話したくなった。心の内を打ち明けたくなったのだ。だが、異国の地で一人きり、頼る親族もなく、家族とは海を隔てている。

話し相手すら、いない。

寂寥感が自然と湧き上がり、少し投げやりな気分で横になった。逃げ出したい、本当に逃げ出したいんだ。ただ普通の人間の生活に戻りたい。仕事なんてしなくても、山奥で名も知れぬ農夫として、平穏に一生を終えることができればそれでいい。

だが、今のわたしにはもうそれも叶わない。

卒業したばかりで社会に出た頃を思い出す。当時のわたしは平凡であることを受け入れられなかった。それでも平凡な日々を送るしかなかったのだが。

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