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2671話

「脅し、効いてしまうのが厄介だ。」

気分は重くなったが、選択肢はない。歯を食いしばって承諾するしかなかった。

通信機を切ると、私は座席に斜めに横たわったまま、投げ込まれた姿勢を維持した。頭は窓ガラスにぴったりとつけ、外の様子がはっきり見えるように視線を向けた。

時間は一分一秒と過ぎていき、石棺はすでに斜面の中腹あたりまで引き上げられていた。

もうすぐ、積み込まれるだろう。

何故だか、急に緊張し始めた。今の私は完全に孤立無援の状態だ。組織が改造人間に対して使用する武器は強力で、始終、後部トランクにいるはずのあの印の持ち主から何の音も聞こえてこなかった。

石棺は別のトラックに積み込まれた...