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2662話

「くそっ!」

時間稼ぎさえできれば、皆をここから脱出させるチャンスは十分にある!

ドン、ドン、ドン!

突然、慌ただしい足音とともに、背後から熱波が押し寄せてきた。火薬の匂いも混じっている。振り返らなくても分かる、こちらに走ってくるのは七号だ。

こいつめ!組織の連中と戦わずに、なぜこっちに来やがる?

「もう持ちこたえられない!」

今の七号は全身が真っ赤に染まり、うねる熱波を放っている。激しく上下する胸から吐き出される白い息は、目の前で濃い霧となった。私は怒鳴った。「持ちこたえられなくても持ちこたえろ!」

「敵は百人以上だ、改造人間も三人を超える。どうやって持ちこたえろというんだ?どうやって!」七...