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2655話

バン!

この一発が放たれたが、その人物はすぐには命を落とさなかった。一秒後、彼の首筋に血の穴が現れた。

おそらく走っていて体が上下に揺れていたせいで、この一発は彼の命を奪わなかった。

少し外してしまったか……

思わず苦笑し、少し残念に思いながら首を振り、二発目を放った。

バン。

私と七号、そして生き残った十数名の隊員たちの目の前で、あの逃亡兵は最終的にゆっくりと崖の端に倒れた。

彼は崖から一歩の距離だった。

あと一歩で命拾いできたはずだが、逃げ出すという選択をした時点で、彼は生存の機会を失っていたのだ……

夕日の名残りが海面一面に広がり、かすかな潮の香りを含んだそよ風が空気中を舞っていた。

生...