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2652話

私は幾度となく重傷を負ってきた。

一般人では耐えられないような痛みにも耐え、銃弾を受けて負傷することなど、私にとってはほとんど日常茶飯事だ。

普通の痛みなら、私には何の感覚もない。

だが今回は違う。言葉では到底表現できない感覚だ。ただ分かるのは、今の私は魂そのものが痛みで引き裂かれそうになっているということだけだ。

しかし、最悪なことはこれからだった。

私と比べれば、周囲にいる隊員たち、七号を含めてはるかに脆弱だ。そして棺から立ち上った黒い煙は、風に乗って四方に散っていく。

多くの者が一瞬で被害を受け、地面に倒れ込んで悲鳴を上げている。

素早く防毒マスクを取り出し、この黒霧の侵入を間に合わせて...