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265話

「これを投げ捨てた後、急いで大量のルールー草の汁液を手に取り、傷口に塗り込んだ。

このルールー草の根茎から出る粘液は、傷のない皮膚に塗ると涼しい感覚があるだけなのだが、今、この傷口に塗ると、まるで無数の魔鬼蟻が傷口を這い回り、噛みちぎっているような激痛が走った。全身から雨のように冷や汗が噴き出し、視界さえも暗くなってきた!

これは気を失いそうな前兆だ。

そんな時、茜もすばやく動いた。彼女も急いで粘液を一掴み取り、私の残した血痕の上に注いだ。

私たちのこの匂いを隠す方法は、本当に効果があったようだ。さっきまで私たちに向かって這ってきていた魔鬼蟻が突然足を止め、しばらく途方に暮れたように這い回った...