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2623話

怒りなのか恐怖なのか、神父は震える手でパスカを指さし、言葉さえ滑らかに出てこなくなっていた。

言い終わるや否や、神父は踵を返して逃げ出そうとした。

だが、私の背後にいた数名の隊員たちがすでに彼の退路をすべて塞いでいた。

「神は私たちを許してくださる!」

逃げ場がないと悟った神父は腕を振り上げ、聖書を強く抱きしめると、あっさりと目を閉じた。

目を閉じれば、これから起こることから逃れられるとでも?

私は微笑を浮かべた。逃げようとしても逃げられるものではない。だが、この神父がパスカを知っているのは、手間が省けて好都合だ。

神父にパスカの姉がどこにいるのか尋ねようとした矢先、私たち二人の隊員の...