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2615話

「とても心地よい気分だ」

だが、我々は車列の一員として、全員が知っている。今回の行程は、ここで休暇を楽しむためではないということを。

「前方がその場所だ」

柏斯卡と一緒に後部座席に座っていた言語学者が、無気力に一言告げた。

もっとも、彼が言わずとも分かることだった。

我々は今、下り坂の道を走っており、見渡せば、この海辺の小さな町の全容が一望できる位置にいたからだ。

町の面積はそれほど広くなく、町を横断する公道以外は車で走るのに適していなかった。

そこで我々は町の入口にあるガソリンスタンドに車を停め、一人を車の見張り役として残し、ついでに給油もしてもらうことにした。残りの我々は柏斯卡を連れ...