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2579話

「どうでもいいよ」

私は肩をすくめ、手を上げて通信機の画面に表示されたエンターキーを押した。

「ん?」

私の行動を見て、デリーは少し困惑したが、すぐに彼の体から澄んだ音が鳴り響いた。

ピッ——

その鋭い音に、デリーの顔色が一変した。

彼は恐怖に駆られて顔を下げ、反射的に胸を押さえ、声を失ったように叫んだ。「な、なんだこれは!いや、お前!何をしたんだ!」

デリーは発狂したかのように数回叫んだ後、私に向かって手のひらを伸ばした。

ふう。

私は自分の体が見えない大きな手に掴まれたような感覚に襲われ、風が一瞬吹き抜けると、すぐさまデリーの目の前に引き寄せられていた。

「この野郎、俺に何をしやがった!」...