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2574話

私は顎に手をやった。

こういった改造人間が獣化すると、肉体の特定の能力が飛躍的に向上し、多くの場合、皮膚は分厚く、力は無限とも言えるほど強くなる。一般人と比べれば、格段に強いと言えるだろう。だが、改造人間にも強弱の差があり、デリーの能力は彼らにとって、打ち破れないバグのような存在だった。

デリーの周囲には、既に堅固な空気の壁が形成されていた。通常の物理攻撃では、彼に傷一つ与えることすらできない。

「天真爛漫だな」

ゴォン!

デリーが右手をゆっくりと上げると、ノース・スピアのメンバーのうち、一般人たちが次々と倒れていくのが目に入った。彼らの動きや表情は一様で、目を見開き、口を大きく開け、両手で空...