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2572話

それから彼は引き金を引いた。だが銃口から発射された弾丸は全てダリーの目の前で宙に浮かんだまま、彼に一切傷を与えることができなかった。

ダリーのような改造人に対して通常の武器を使うなど、まるでおもちゃの鉄砲で大砲に立ち向かうようなものだ。

ダリーは嘲笑うように鼻を鳴らし、無造作に手を振った。すると彼の前に浮かんでいた弾丸はいとも簡単に真っ二つに切り裂かれ、血に染まった地面へと落ちていった。

先ほど銃を撃った男を見ると、すでに頭部と胴体が分離していた。

「ひっ...」

まだ生きているノース・スピアのメンバーたちは息を飲み、一瞬にして倒れた死体から距離を取った。

「出てこないと、こいつら...