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2548話

「この場所から出ましょう」

長い沈黙の後、玉城瑶は突然顔を上げ、私を見つめながら小さな声で提案した。

だが、彼女のこの提案は実現可能性が低すぎる。低すぎて無視できるほどだ。

「出られないよ」私は首を振り、溜息をついた。

すでに一ヶ月以上ここに戻っている。この事実は、彼女も理解しているはずだ。

私たちが今いる場所は会社の一支部に過ぎないが、内部の武装勢力は私たち二人では到底太刀打ちできるものではない。ましてや、この支部基地内には恐ろしい能力を持った改造人間も少なくない。

それに、仮に逃げ出せたとしても、どうなるというのか?

私の心臓には、あの博士という畜生に爆弾を埋め込まれている。玉城瑶も私と同...