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2543話

あっという間に、私の体から取り出された金属片は秘書によって見つけられた。

「ここで待っていろ。どこにも行くな」

今や黒人の私への接し方は先ほどとは打って変わっていた。だが、彼の態度がどうであろうと、私にとってはどうでもいいことだった。

今の私に必要なのは、ただ金だけだ。

黒人は命令口調で私に言い残すと、実験室を出て行った。十分ほど経った頃、慌ただしく戻ってきた。彼が何を見てきたのか分からないが、戻ってきた時の彼の目には、私を見る異様な色が宿っていた。

「上からの指示だ。お前の自由行動時間は六時間だけだ。六時間以内にここに戻ってこなければならない。分かったな?」

「分かった」

彼の口から出た言葉...