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2512話

「あれは……私の血だ!」

私は少し驚いた。最初からこの老人が私の血を欲しがっていることは分かっていたし、それが実験に使われるのも確かだったが、まさか直接この黒人に注射するとは思わなかった。

「へへへ、奇跡を目撃する時が来たぞ」

注射器の血が一滴一滴と黒人の体内に注入されていくのを見ながら、老人は思わず嬉しそうに笑い出した。

その笑い声を聞くと、私は背筋が凍る思いがした。

このくそ爺め、表面上はそれらしい態度を取っているが、実際にやっていることは全く一致していない。

完全に人間を人間とも思っていないのだ。

目の前の非人道的な光景を見て、私の心には違和感が湧き、この黒人が気の毒に思えたが、今の私に...