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2467話

ここでは、視界が生い茂った植物に遮られ、前方に人がいるかどうかを判断するには、聴覚に頼るしかなかった。

しかし、こんな環境では音の伝わり方も極めて厳しい条件下にある。

いくら注意を払っても、結局は罠にはまってしまった。

カシッ……

一歩踏み出した瞬間、カンの潰れるような澄んだ音が響いた。

一瞬にして神経が張り詰める。

足の下に踏んだものが缶ではないことは確信していた。

「止まれ!」

私はすぐに後ろについてきていた少女に、進むのを止めるよう手振りで合図した。

彼女は素直に立ち止まり、何が起きたのか分からず好奇心に満ちた目で私を見つめていた。

右足をできるだけ動かさないようにしながら、ゆっくりと少...