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2416話

黒人は目を丸くして睨みつけ、私を罵りながら脅しの言葉を投げかけてきた。

「今すぐそうすることもできるがな」

私は嘲笑うように鼻を鳴らし、わざと黒人の視線を受けながら、両手をハンドルから離し、肩をすくめてみせた。

もちろん、加減は心得ていて、彼の怒りが頂点に達した瞬間、再びハンドルを握り直した。

確かに彼の能力は強力だ。強すぎて、私には彼を殺せる自信すらない。

だが、本気で逃げるつもりなら、彼も私には手出しできないだろう。結局のところ、この車内にいる三人の中で、銃器を除けば遠距離攻撃能力を持つのは私の後ろに座っている白人だけだ。

とはいえ、こういった改造人間についても、多少は知識がある。

彼らは...