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2391話

「なんだか、こいつには見覚えがあるような気がする」

「腹が……」

さらに驚いたことに、こいつが突然発した声にも、どこか強烈な既視感を覚えた。

だが、どうしても思い出せない。どこでこいつを見たのか。

その怪物が私の前十数メートルの距離まで来ると、立ち止まった。何十もの手についた目が、じっと私を見つめている。数秒後、突然体を回転させ、腐肉の山の中の膿のような液体に転がり込んでいった。

待て!

頭の中に突然ある怪物の姿が浮かび、銃を握る手もゆっくりと下ろした。

烏だ。烏に違いない。

そりゃあ見れば見るほど見覚えがあると思うはずだ!

私は深く息を吸い込み、腐肉の中で絶えず翻る膿液を見つめながら、今見た...