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2380話

目の前には、一条の裂け谷が広がっていた。今の私たちは、あと一歩踏み出せば、万丈の深淵へと転落してしまう場所に立っていた。

上を見上げると、私たちが天井の底から地上までの距離はまだ三十メートル以上もあることがわかる。

裂け谷を横切る無数の植物の根系が、私たちの視界を遮っていた。

思わずカレンと目が合い、言葉を交わす必要もなかった。目の前の光景から、私たちはすでに以前落下した裂け谷に到達したことを理解していた。

前方には道はなく、上に登るためには、ロッククライミングという手段しか残されていなかった。

だが、私たちの前には、もう一つの選択肢があった。

どのみち、地上に上がった後は、放射源に向かって進...