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2377話

「カレンだ!」

細い手が、サソリの尾を強く握りしめているのが見えた。遠くの石の山を見ると、そこにはもうカレンの姿はなかった!

助かったのか?

巨大サソリは簡単に対処できる相手ではない。それは私にもよく分かっていた。

見ると、カレンはサソリの尾を力いっぱい握りしめ、思い切り振り回した。巨大なサソリの体は二メートル以上も飛ばされ、パリンという鋭い音と共にようやく止まった。

だが、その尾はカレンによって無理やりもぎ取られていた。

巨大サソリの尾には毒針がある。だからカレンも、その尾を私に投げようとはしなかった。

一つの鋏と強力な尾を失い、この三級障害者となった巨大サソリはようやく恐怖を感じたようだ。...