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2369話

彼女のこの様子を見ると、私のために何かをしてくれと頼むのも忍びなくなった。

だが、自分一人の力ではこの状況を打開できない。今の私は指先の感覚こそあるものの、腕すら持ち上げることができないのだから。

心臓が損傷を受けたせいで、全身への血液供給に影響が出ている。

「頼む、お願いだ」

もはや他に方法がなく、私は声を和らげ、丁寧な言葉で彼女を説得するしかなかった。

カレンの表情にはまだ迷いが見えたが、私の再三の懇願に耐えきれず、ようやく彼女は小さく頷いた。

震える両手で、私の胸に突き刺さった石の端を掴み、少しずつ力を入れていく。だがその石は、まるで折れた肋骨に引っかかっているかのように、微動だにしなか...