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2367話

私はてっきり、あいつに残っているわずかな人間性からすれば、反応が遅れるにしても、私たちを助けに来るだろうと思ったのだ。

彼の価値を発揮する時が来たのだ!

以前、強引にでも彼を連れていくよう主張して本当に良かったと、少し安堵していた。でなければ、今この瞬間、誰も助けに来なければ、私とカレンはこの底なし淵に落ちるしかなかったのだから。

だが……考えが甘かった。

私の叫び声を聞いて、ウーは助けに来るどころか、むしろ一歩後ずさりした。

その一歩が、私たちの間に埋めようのない断絶を作り出した。

「てめぇ!」

怒りが込み上げてきた。これまで何度も何度も彼をかばってきたというのに!

なのに今、彼は私たちが死...