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2353話

なぜなら、この怪物の体内は岩のようで、短剣がまったく刺さらないんだ!

「まずい……」

私は口の端を少し引きつらせた。この怪物がこれほど手強いとは、まったく想像していなかった。

一瞬にして、頭から足の先まで冷たい感覚が走った。

もし私のこの方法が通用しなければ、狂ったように追いかけてくる触手に食われてしまう!

わずかに首を傾げると、すでに触手の先端の肉瘤が口を大きく開けているのが見えた。

今にも私の首に噛みつこうとしている。

もう逃げる機会はない……

十分な体力が残っていたとしても、こんな状況では避けることなど絶対に不可能だとわかっていた。

死を待つしかない。

深く息を吸い込み、絶望的に両目を閉...