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2319話

私はいくつかの穴の中を覗き込んだが、熱感知機能のある目には橙色の光点は表示されなかった。

少し安心して、これらの穴を足場にして穴から這い上がろうとした。

だが近づいた瞬間、穴から黒い影が飛び出し、真っ直ぐに私の脛めがけて噛みついてきた。

素早く避けたものの、脛には避けきれず数本の血痕が刻まれた。

「くっ！」

脚の筋肉が引き裂かれる鋭い痛みに、思わず意識が飛びそうになった。

何だこれは？

振り返ったが何も見えない。隣に立っているカレンを見ると、彼女はまだ体の泥を払っており、嫌そうな顔をしていた。まるで今起きたことに全く気づいていないようだ。

私が息を呑む音を聞いて、やっと彼女は視線を向け、私の脚...