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2313話

私の正体に縛られているせいで。

会社にいる限り、私はいつも不安と恐怖の状態に置かれている。

計算してみれば、元夫が会社に入社してから今まで、もう一ヶ月以上もここにいるのに、当初の目的からはますます遠ざかっているようで、石門を持ち出す計画も、いつになったら実行できるのか見当もつかない。

そして、ここにいる時間が長くなればなるほど、知ることが多くなればなるほど、任務の難易度も上がっていると感じる。

予感がする。たとえ私が本当に持ち出し計画を実行し始めたとしても、ノースポールと呼ばれる謎の組織が、私の計画における最大の障壁となるだろうと。

「博士に会いたいのですが」

石門から出てきた時、がらんとし...