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2277話

この丘陵地帯の夜は極めて涼しかったが、日中になると気温は上昇し、照りつける太陽の下で私は火猿と共に肌が一枚剥けるほど焼けてしまった。バックパックの食料はそれほど減っていなかったが、水はほとんど飲み干してしまっていた。

だが幸いなことに、我々はすでに百キロ近くも進んでいた。

周囲の環境も、何もない丘陵地帯から緑の植生が見える山地へと変わっていった。

二日目の夜、我々は幸運にも山の頂を越えた後、一本の公道に辿り着いた。

この小さな確率の幸運は、我々の士気を大いに高めてくれた。

公道沿いを数時間歩いた後、ついに遠くに明るい灯りが見えてきた。

山間の小さな町だった。

町は比較的なだらかな地形に位...