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2245話

その医務室には、一人しかいなかった。

ケイラーだ。

私たちが到着した時、彼は机に向かって資料の束を見ていたが、私たちが入ってくるのを見て初めて顔を上げ、眼鏡を直した。

「どうしてここに?」

ケイラーは私の怪我した腕をちらりと見てから、なるほどというように頷いた。「ああ、怪我か。でもそんな程度の傷はお前にとって大したことないだろう?」

「ああ」

私は頷き、そのまま前に進んで椅子を引き、腰を下ろした。

三人の潜入捜査員がいるのに、命懸けで働いているのは俺一人だけか?

この気持ち……どう考えても釈然としないな!

珍しく、というかほとんど唯一と言っていいほど、私たち三人が一堂に会した。こんなチャンスは...