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2216話

以前から彼とは話し合っておいたんだ。会社の連中が来たら、俺はただ形だけ整えて、黙っていればいいと。こういう連中の対応は彼に任せることにしていたんだ。

そして、この三人の中の女が、ずっと俺とヴィジェを品定めするように見ていた。

最初は単に好奇心からだと思っていた。なぜキャンプ地にいた大勢の人間のうち、今生き残っているのは俺たち二人だけなのかと。

だが彼女のその後の態度で、俺の考えが間違っていたことに気づかされた。

「集めた連中はホントにゴミね。あれだけの装備を支給したのに、今残ってるのはたったこの二人?」

これが女の言った言葉そのままだ。

声は大きくなかったが、俺たちとの距離があまりに近く、...