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2187話

天坑の崖の細道に立ち、私は油の入った樽を下ろし、思い切り深呼吸をした。

あと少し、あと少しでここで命を落とすところだった!

だが一息つく間もなく、銃に弾を込める音が聞こえた。ほとんど条件反射のように、私は無意識に樽の陰に身を屈めた。

銃声と弾が跳ね返る音が入り混じって響く。

この驚くほど重い樽は意外にも頑丈で、数人の銃撃に耐えながら、弾丸を遮ってくれていた。

私は樽の後ろに身を丸め、背中を樽に預けた。

一つだけ理解できないことがある。なぜ彼らは私に発砲するのか?同じ地震の生存者なのに、なぜ私を狙うのだろう?

理解できないまま、声を出すこともなく。

そのまま樽の陰に隠れ続け、銃声が止むのを待った...