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2162話

「しかし、油断はできない。今我々がいるのは、変異生物が集中するエリアの中心だ。」

この百メートル四方のクレーターを除いて、周囲には不安と狂気に満ちた変異生物たちがうごめいている。

振り返れば、後続の隊員たちが追いついてきていた。

最も目を引くのは、前方にある数台の車両だ。車載の強力なライトが我々の前方の道を照らし出していた。

「ちっ……」

血と火薬の混じった臭いを一息吸い込むと、私は前方へと駆け出した。

「前進を続けろ!」

変異生物たちは爆発の範囲の縁をうろつきながら、我々を食い入るように見つめていた。疑いようもなく、我々がこの爆発地帯を一歩でも踏み出せば、奴らは群がって我々を引き裂...