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2156話

「隊長!」

私は隣にいる指揮官に一瞥を投げた。彼のあまりにも落ち着いた様子は、確実に何か後手があることの証だろう。

だが、今の私の立場上、私は頷いて言った。

「発砲しろ」

周りの隊員たちは既に動揺していたが、ようやく私の命令を受け、即座に引き金を引いた。

瞬く間に、銃声が一面に響き渡った。

射撃距離は百メートルに満たず、さらにチンパンジーの疾走によって、その距離は急速に縮まっていた。

こちらには六丁の銃があり、フルオート状態で、一分もかからずに弾倉の弾丸が撃ち尽くされた。

だが、弾切れになっても、素早く弾を込め直す者は一人もいなかった。

隊員たちは突然、この狂暴で巨大なチンパンジーに弾丸がまっ...