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2100話

「ちきしょう!」

その時、火猿も立ち上がった。全身が埃まみれで、とても惨めな姿だった。

「面白いな」

男は顔をそむけ、火猿をちらりと見てから、興味深そうに彼の方へ歩み寄った。一方で、虎視眈々と見つめ、ナイフを握りしめている私のことは完全に無視していた。

この男、少し傲慢すぎるんじゃないか?

獅子は兎を捕らえるのにも全力を尽くすというのに、まして一人で私たち三人を相手にしながら、あんなに余裕の表情を見せるなんて、確かに読めない相手だ。

だが、それは私がもう一太刀浴びせることの妨げにはならない。

しかも今度は、百パーセント確実に当てられる自信がある!

息を殺し、男の喉元を狙う!

パン!

だが一歩踏...