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2083話

「じいさんは話好きそうな人だったが、言葉が通じなかったので、ずっと身振り手振りで話していた。

彼が教えてくれたところによると、今回は魚を釣りに来たわけではなく、孫を連れて狩りに来て、見聞を広げさせるつもりだったらしい。だが、思いがけず私に出会えたことも、悪くない収穫だと言っていた。

ただ、彼はとても好奇心が強く、私がどうやって素手でヒグマと戦ったのかを、しきりに尋ねてきた。

それについては、私もあいまいにごまかすしかなかった。

この漁船はそれほど大きくなく、中はがらんとしていた。錨を上げると、じいさんは船を動かし始めた。

十代くらいの孫息子も、親切にも厚手のダウンジャケットを持ってきてくれた。...