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2081話

飢えと寒さに苛まれる中、私に寄り添っていたのは、一頭のぽっちゃりとした褐色熊だけだった……

体温の低下で思考も鈍くなっていたが、知性はまだ健在で、すぐに視線を私のそばにうずくまっている褐色熊に向けた。

さっきまでは舌で私を舐めるこのお馬鹿さんを少し嫌っていたのだが、今になって気づいた。これは天から与えられた贈り物なのだと。

熊の毛皮は極上の防寒材料だし、熊の手は高級食材でもある。

近年こういった動物は狩猟禁止されているが、今の私は死にかけているのだ。そんなことを気にしている場合ではない。

腕を動かそうとしてみたが痛い。硬直した関節は錆びついた歯車のように、少し動かすだけでも非常に骨が...