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2074話

振り返ると、マーシャとその男が雪の上に伏せたまま、こっそりと私を見つめていた。

今回は、その男だけでなく、マーシャの目にも複雑な色が宿っていた。

「言っただろう、君を傷つけるつもりはないって」

私は何でもないかのように肩をすくめ、手に持っていた銃を投げ捨てた。そして、ナイフを取り出し、二人の視線を浴びながら、肉に食い込んだ銃弾を掘り出した。

「お、お前は人間なのか?」

小隊のメンバーが全滅したのを見た男はすぐに立ち上がったが、かなり離れた場所に立っていた。見れば分かる、私が手を出すのを恐れているのだ。

だが私は彼など気にも留めなかった。今や外に出てきたのだから、彼も邪魔にはならない。

私は無表...