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2056話

「嫌なら無理強いはしないよ。けど、その場合は助けてやらないからな」

束の間の仕事で、医師は手術を完了し、負傷者の太ももから弾片を取り出して縫合の準備を始めていた。

彼からは、自分の命を何とも思っていない感覚が強く伝わってきた。

まるで私が口封じのために彼を殺すことを全く恐れていないかのようだった。

だが、キャンプの中心にある天幕に誰にも気づかれずに侵入するには、彼の助けを借りる以外に方法はなかった。

「誰を殺すんだ?」

私は小声で尋ねた。

医師は私の問いに答えず、患者の傷口を縫合することに全神経を集中していた。手術が完了してから一歩後ろに下がり、マスクを外して安堵の笑みを浮かべた。

「君も会っ...