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2045話

「ついてこい」

この地形では並んで歩くことはできない。私は彼に一言言い聞かせると、一人で先に立って歩き始めた。

島に上陸すると霧はかなり薄くなり、視界も開けてきた。遠くの山の黒い影がぼんやりと見える。会社の連中はおそらくあの山の近くにいるのだろう。そう考えた私は、王邵陽を連れてその山のある方向へと直接向かうことにした。

「おじさん!」

しかしほどなくして、この子はまた私を呼び始めた。頭が痛くなる。

「おじさんって呼ぶのやめてくれないか?」

「はい、おじさん。でも……」

王邵陽は頷くと、横にある深い穴を指差し、恐る恐る言った。「見て、あそこに人がいるよ!」

「死体なんて見るものじゃない...