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2040話

私たちは細心の注意を払いながら歩いていた。常人を超える五感を頼りに、奇妙な物音を何度も避けることができた。

「あっ!」

だが結局、避けられないものもあった。

歩き始めてから約三十分後、小さな山のような死体の山が目の前に横たわっていた。横向きに倒れた死体の胸には大きな血の穴が開き、まっすぐに私たちに向けられていた。唯一の救いは、その傷口から新鮮な血が流れ出ていないことだった。

それは巨大なチンパンジーで、まるで病気にかかったかのように、体毛がほとんど生えていなかった。

「こ、これ、死んでる」

王邵陽がそんな当たり前のことを言いながら、私の腕をきつく掴んだ。

私はこの種のチンパンジーを知っていた。...